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「俺、あの時由紀乃と一緒に枇杷採りに来てたんだよな。
だけどまさか誰か寝てると思わなくて、由紀乃も俺も『誰か倒れてる!』
って焦ったよ」
「騒いでた声に驚いた私のお母さんが私を起こしたんだっけ」
「そう。あれがお前と初めて話した日。そんとき採った枇杷が不味かったんだよな……」
「……はぁ?」
今までの話と関係が掴めず間抜けな声を出す私。
そんなことにはお構いなしに夏樹は続ける。
「甘くないし酸っぱいし……まだ熟してなかったみたいでさ。だけどなんか癖になるんだよ」
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