壊れた日

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なんだろう。 薄く目を開くと 窓から赤い光が差しているのが見えた。 思わず見上げると 何処までも続く夕暮れの空で、 私はその美しさに立ち尽くした。 空に浮かぶ雲は少しずつ形を変え、明るく輝く夕日はその姿を町から消そうとしている。 いつもの光景なのに 今日の私は随分詩的なことを考えてる。 私は自分の発想に苦笑いをこぼした。 ――このとき私はきっと予感していたんだ。 なにかが変わってしまう予感。 壊れてしまう予感を。
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