入学、再会、そしてーー

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そういえば゙あいづはどのクラスだろう? 探してみよう。 廊下を歩きながらプリントを見る。 「ケイ? どうしたんだ?」 クラス表を見始めた僕に疑問を持ったのか藤原が話しかけてきた。 「ん? あぁ、ちょっと知り合いがどのクラスにいるのか気になって」 「ふーん。だけどもう教室に着いたぞ」 あ、もう着いたのか。 教室の中で確かめるか。 そう思って、教室に入っていった藤原に続いて僕も教室に入った瞬間ーー 何かが僕に横から当たってきた。 いや、正確には"誰か"が僕に"抱きついてきた"。 「えへへ♪ やっぱりケイだ~!」 いきなり抱きつかれてバランスを崩しかけたが、なんとか体制を立て直した。 …何か引っかかる。 この雰囲気と声には覚えが…… ……あ 「まさか……理奈!?」 「えへへ、そうだよ!」 そう言って顔を上げた少女、観月理奈(みづきりな)は紛れもない僕の幼なじみだった。 「……何してんだ?」 そんな藤原の声で僕は正気に戻った。
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