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「!?」
裕一さんは驚き過ぎて声が出ないみたいだった。
そればかりか、グラスを落としそうになった。
「裕一さん。」
感極まって声が震える。
涙のせいで、視界がぼやける。
「ど…どうして…?」
「会いたかった。」
私は思わず、裕一さんに抱きついた。
「好きです。どれだけ月日が立ってもこの思いは変わりません。」
「…もう無理だな。」
裕一さんがぽつりと呟いた。
「え!?」
その言葉に胸が苦しくなる。
裕一さんは私の手の中から離れ、部屋の中に入った。
背を向けたまま扉の近くのテーブルにグラスとシャンパンを置き、静かに振り返った。
「…俺だって、ずっと好きだったんだ。葵が小さい頃からずっと、ずーっと。」
裕一さんの言ってる意味が分からず、声が出ない。
「許されないと分かってた。でも、葵はどんどん綺麗になるし…」
裕一さんは優しく私の頬に触れた。
「我慢できない俺を許してください。」
そういうと私に優しくキスをした。
そして私を見つめて、優しく微笑んだ。
「好きです。側に居てくれませんか?」
裕一さんは返事を待たずに何度も深いキスをした。
私は返事の代わりにひたすらキスに応え続けた。
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