プロローグ

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暗い・・・ まだ目が覚めてないからだろうか? 夕べは以前拾って来たボロボロの黒いソファの上で眠ったのは覚えている 今時珍しい四畳半の和室で剥き出しの電球 その部屋の壁に無理矢理押し込んだかのようにスッポリとバネの飛び出たソファが置いてある 他にある物は、これも拾って来た古い冷蔵庫と、たまに消えてしまう古いテレビ 今の俺の部屋にあるのはこんなもんだ 暗い、寒い また同じ事を思いながら、ギシギシと音を立てながらボロいソファに体を起こす 半分しか開いてない目を窓際に向ける あぁ・・・雨だからか 外は朝方というのに、ガキの頃使ってた汚れたパレットのようにねずみ色に澱んでいる 絶望?孤独?苛立ち 自分の心の色を空にぶちまけられたような気持ちになり、苦笑いをする ソファにキチンと座り直し、灰皿代わりの缶詰の空き缶から、比較的根元が残っているシケモクに火をつけて、もう一度外に目を向ける さぁ 今日も腐った1日が始まるんだろな 暗く、澱んだ考え それでも数ヶ月前の自分より 少しだけ人間らしくなったのかな…? 俺の口元に、また苦笑いが浮かぶ… 自分を含めた人間全てを軽蔑する苦笑いを…
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