見えない月が昇る頃

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ピピピピピピピピピ……… 耳障りな電子音が静寂を破る。 「うるさい………」 望はスイッチを叩き、沈黙した目覚まし時計をベッドから放り投げた。 そしてもう一度夢の中へ旅立とうとしたとき、部屋の中に制服姿の少女が入ってきた。 「望!早く起きてよ、遅刻するよ?」 その言葉に一気に意識が覚醒する。 「今………何時?」 望に朔は衝撃の言葉を告げた。 「7時55分」 「………え?」 予想外すぎる答えに望の思考は一瞬止まった。 「な、なんで起こしてくれなかったのよ!?」 「私は起こしたよ。二度寝したのは望じゃない」 慌てて着替え出した望を見て、朔は立ち上がった。 「下で待ってるからねー」 朔はかばんを持って玄関に向かう。 望が降りてきたのは、それから2分後のことだった。
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