Lesson#0 申し込み

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中庭に着くと、花壇の縁にジャージ姿の佐伯が腰かけていた。 「佐伯くん」 手を振って近づくと、佐伯も立ち上がる。 「ごめんね、ごはん食べれた?」 「うん、大丈夫」 そっか。と、佐伯は赤い顔を俯かせる。 「放課後まで我慢しようと思ったんだけど、やっぱり顔見たくて・・・」 佐伯は俯いたまま頭を掻いている。見たいって言った顔にまだ視線は向けてこない。 でも、こう言われるのは素直にうれしい。好意がダイレクトに伝わってくる。 莉子は1歩佐伯に近づく。動いたら肩が少し触れるくらいのキョリ。近すぎず、遠すぎずのキョリ。 佐伯の俯いていた顔が少し上がって、周りを見てから、視線が莉子に降りる。 そして近づく。 莉子はそのまま佐伯の唇を受け止めた。
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