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「わかったついていくから!あたしが行ってるところ紹介するから、離してぇ!!」
「えッ!ホントですかッ」」
「もぉ、いちいち掴まないでよ。んじゃ、明日でいいよね?」
「ハイ、お願いします」
「じゃ、メアド教えて。場所とかメールするから」
「ハイ」
莉子はカシカシと赤外線の受信準備をし、携帯電話を差し出す。
「早く、赤外線で送って」
「赤外線・・・?」
出された浅井の携帯電話は莉子と同じ機種の色違いで黒だ。ストラップもついていない。
「もー貸して。赤外線知らないとか、美容室一人で行けないとか、天然記念物ぶりにも程があるわよ」
ブツブツ言いながら、莉子は浅井の携帯電話を奪い取ると手慣れた仕草で受信画面にする。自分の携帯電話は送信画面に素早く変えた。
本当は自分が受信してメールでメアドだけ教えるつもりだったがいたしかたない。
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