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「そっかぁ。まだ恋はしてないのかぁ」
「うん・・・」
「まぁ、急ぐこともない。これからゆっくりと好きになって愛を育んじゃえばいいのよ」
両頬に手を当てて、うっとり顔の友美を横目に見る。
「そんな簡単に行かないのをあたしは知ってる」
「うん、それはあたしも知ってる。近くにいるからね。人を好きになったことないかわいそうな子」
莉子は口を尖らせて窓の外に視線を逃がす。
「ゆっくり好きになれるとこ探せばいいじゃん」
「そんな簡単に言いますけどね・・・」
「難しくしてるのは自分だよ」
友美はそう言うと、立ち上がって自分の席へと戻って行った。それと同時に本鈴が鳴った。
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