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「ごめん、お待たせ」
「いえ、大丈夫です」
浅井はそういっただけで、表情は変わらない。そこでニコリと笑顔でも作れたら100点だがそこまで器用な子ではないだろう。とりあえずギリギリで合格とする。
「あれ、まだ制服?帰らなかったの?」
「あ・・・、いや、私服に自信がないから制服で来ました」
「何じゃそりゃ」
莉子がアハハと笑うと、浅井は恥ずかしそうに頭を掻いた。
「さあ、行こう」
駅から美容室まで、歩いて5分もかからない。
隣に並ばず、右斜め後ろを歩く浅井とはしゃべることなく目的地に到着した。
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