Lesson#1 髪

30/32
719人が本棚に入れています
本棚に追加
/605ページ
「でもしかし、祐くんは相当莉子ちゃんのこと憧れてるんだね」 修平はニコリと笑って続ける。 「憧れの莉子ちゃんがカッコイイとか言ってくれたら、惚れちゃうんじゃない?」 「・・・」 反論しない浅井を見かねて、莉子が口を開く。 「それはないでしょ。だってこの子好きな子いるもん。ね?」 わざと浅井に振ってやる。ささやかな仕返し。 「わかんないよ~、逆にカッコ良くなってく祐くんに、莉子ちゃんが惚れちゃったりして」 修平に言葉に反応したのか、浅井がまた顔を赤くしている。でもそれは無視。 「それは絶対にあり得ないから」 莉子は真顔で否定する。『ナイナイ』と顔の前で手をひらひらさせるジェスチャー付きだ。 「ハハ・・・、詩織並みに全否定だね・・・」 修平は苦笑いを浮かべて浅井の肩を軽く叩いた。
/605ページ

最初のコメントを投稿しよう!