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サロンを出ると、辺りは既に真っ暗だった。
眉カットが終わってからも、来客はなく、長い事話し込んでしまった。(8割は修平がしゃべっていたが)
修平のアドバイスで、浅井はきっちり着ていた制服を『若者っぽく』着るように指導され、更には今までの『僕』を『俺』にするように言われていた。
「ぼ・・・、俺、大丈夫ですか・・・?」
「ん?良くなったよ、すごく」
莉子は右横を歩く浅井に顔を見る。来る時は後ろを歩いていた浅井が、今は横に並んで歩いている。
(少しはあたしに慣れてきたのかな)
視線をこちらに寄こした浅井に、ニコリと笑って見せる。すると浅井は照れくさそうに目を反らせて俯いた。
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