キミ ト イツモ

5/10

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
しばらく歩くと、俺たちが通う 星ノ陵(ほしのおか)高校に到着した。 アニメに出てきそうな名前の高校だが、俺たちの住む町の名前と同じなのである。 星ノ陵というのは、この町にある丘からそれは素晴らしく綺麗な星が見えるから、という理由でつけられた地名である。 まぁ一見ロマンチックだが、俺から言わせりゃここはただの田舎である。 校門のほうへ歩いていくと、竹刀付きの門番の先生が、門におっかかって居眠りをしていた…… …毎朝恒例なので気にしないでおこう…。 校門をくぐり、玄関で靴を履き替えたあと、教室に向かっているとクラスの奴ら何人かに会った。 「おっはよーす。」 一応あいさつ。 「おはよ…って郁也~、お前また水無月と一緒に登校かよ~。」 「毎日毎日、仲がよろしいですなぁ~、ヒューゥ!」 とか言って古いからかい方で、友達がひやかしてきた。 「そんなんじゃねぇって。 ただの幼なじみなの、こいつは!」 「照れんなよ~、いいじゃねぇか。そんなに可愛い幼なじみでよぉ」 「よ・く・な・い!こいつのせいで他の女の子が寄ってこないんだぜ?」 「自分に女の子が寄ってこないのを私のせいにしないでくれますかぁ?」 澪が口を挟んできた。 …まぁ確かにその通りなんすけどね…(涙) 「私と登校できるだけ感謝しなさいっ…って、あっ、友達見つけたから先行くね。 じゃあね~、非モテさ~ん。」 そう言って澪は、友達のところへ走っていった。 …えぇ、分かりますよ俺は非モテですよハイ。 言い返す言葉もなく、俺はおとなしく、ヤロー共と教室へ向かった .
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加