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「……っはぁぁぁぁ~~。」
友達のひとりがものすごい深い溜め息をついた。
「なんだよ、どうしたんだよ?」
「なんだよじゃねぇよ~、羨ましいぜ、あんな彼女がいて。」
「だから、彼女じゃねぇって!! ただの幼なじみなの!!」
「どっちでもいいじゃん、女の子と登校なんて青春じゃねぇか。 …しかも、あの水無月と。」
「…は?なに、澪ってなんか特別なわけ?」
「はぁ!?おまっ…知らねぇのかよ!?」
もうひとりの友達が声をあげた。
「すっげー人気あるんだぜ?水無月って!」
……澪が?
毎朝毎朝俺に悪態つくことが習慣になってる、あの澪が?
…まさか。
「信じてねーだろお前。まじですごいんだって、ファンクラブまで出来てんだぞ。」
「ファッ…ンくらぶっ…!?」
びっくりしすぎて声裏返ったし。
ファンクラブなんて…現実にあっていいのか!?
「まぁ確かに、いいよなぁ~水無月。
アニメのキャラクターみたいにデカイ目と、ふわふわさらーんな髪の毛。
それに白い肌…、しなやかな指…あー!たまんねー!!」
変態かこいつは。
自分の幼なじみに向かって、発情されるの困るんですけど。
「…そうなのかー…。」
まぁ、澪の顔が整ってることは俺でもわかるし、中学時代からそれなりにモテることは知っていた。
…でもまさかファンクラブまであるなんて。
と、ふいに俺は
澪と初めて会ったときのことを思い出していた。
あれは忘れもしない、俺が六歳の頃だった――――――
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