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「んじゃ、行ってくるな」
「……ん」
今日、ストーカー野郎が海外留学へと旅立つ。
期間は一ヶ月、別にストーカー野郎がいなくたっていいんだけどむしろいなくていいはずなんだけど胸がずきずきする。
ぽんっと頭の上に置かれた手になぜだか泣きそうになった。
「行ってくる」
ストーカー野郎はそう言って俺の部屋からでていった。
なんかやだ。
やだ。
そう思った俺は、急いでストーカー野郎を追いかけた。
そして…
ばふんっ
「うおっ!?」
「待て!!」
ストーカー野郎の背中に抱きついた。
「え、なに、どうしたんだ!?」
泣きそうな顔をした…というより泣いている俺を見てストーカー野郎があわてる。
「帰ってきてよ…はやく帰ってこい…っ」
そう、これが言いたかった。
ぎゅむぅううと抱きつく俺にストーカー野郎は囁いた。
「一カ月なんてあっという間だ。すぐ帰ってくる」
「……うん」
それでもなかなか離れない俺に会長は微笑んだ。
「行ってきます」
「…行ってらっしゃい」
end
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