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とある天気のいい日に、俺は歩と遊びに町に降りてた。 するとちょうど今日はお祭りがあったらしく、夜にお祭りに行くと屋台が沢山あった。 「うっわー…いっぱいある」 「だな」 テキトーにイカ焼きとかかってブラブラしていると歩がくじ引きのほうで足をとめた。 「ん?歩やんのー?」 「あぁ」 なんとなくおかしくて笑いをこらえていると… 「ぐぉ…っ!?」 「笑ってんじゃねぇよ、隼人」 足を踏むにじられた。 「歩のバカ!!!しねぇぇええ!!重いぃいいい!!」 俺がさんざんわめいていると歩は笑いながらくじを引いた。 んで… 『あいよ、にいちゃん五等賞だな』 くじ引きのおっちゃんが商品をくれたんだけど、まさかの五等賞。 「む…」 歩は顔をしかめながら商品のシャボン玉をとってまたおっちゃんに300円をわたした。 『え?なにもっかいなのかいにーちゃん』 「ああ」 『いまどきめずらしーねぇ』 おっちゃんにそう言われながらもくじをひく歩。 けれどやっぱり… 『にーちゃん残念、また五等だ』 「っく…」 だんだんと汗をかいてくる歩、なんかバカに見える。 だが歩はまた300円をだす、ひく、五等。 だす、ひく、五等。 これの繰り返しでとうとう崩れた歩におっちゃんは同情した顔になっていき… 『に、にーちゃんいったいなにがほしいんだい!?もう好きなのもっていていいから!三万ももらったし!ねっ!ね?』 ああ…なんてやさしいんだ。 そう生温かい目でみていたら歩は涙目で叫んだ。 「運をくれぇっ…!!」 「あほかぁああああっ!!!」 ひさびさにうざい歩に俺がとび蹴りを入れたのは悪くない。 ちなみにあのあとおっちゃんは俺らにPSPをくれた。 いいおっちゃんだ。 end
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