ヤンみぃ

2/2
前へ
/96ページ
次へ
「ねぇ、歩。俺をひとりにしないでよ」 「何あったりまえのこといってんだ?」 なんだか変な雰囲気を醸し出す隼人に俺は頭に疑問府を浮かべながら言った。 「まぁ、あたりまえならいいんだけど」 隼人は自分から言っといたわりにそっけなく返事をした。 意味わかんねぇ… 今日の隼人は少しおかしいな。 そう思いながら隼人と会話をすると隼人は俺の手を壊れ物を扱うようにそっと触れた。 「あのな、歩。歩の手も髪も目も歩の存在自体も全部俺のものなんだ」 ふっと俺の手を離したと思ったら今度はギュッと抱きついてきた。 「歩は誰にもあげない。俺のだからね」 俺の胸の中でほほ笑む隼人に、俺は両腕を隼人の背中にまわしてやさしく抱きしめた。 「なぁ、隼人。俺がお前のもんならお前は全部俺のものだ」 死ぬまでずーっと俺のものだからな。 そう言ったら隼人はよりいっそうほほ笑んだ。 end
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1254人が本棚に入れています
本棚に追加