だだだだだっ!

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歩side 「やっべー!!」 俺は学園に戻るための電車に乗り遅れた。 ……時間を間違えたんだ。 「あーあ…」 走っていく電車を見てため息を吐く。 一週間も、隼人に会えねぇし急いだのにこのざまかよ。 「…くっそ」 イライラして石を蹴った。すると… ガンッ 「ぎゃんっ!!」 「え、まじかよ!?」 もんすごっく不細工な犬にあたって追いかけられた。 そしてそのまま俺は必死に走った。 それからも色々と不運は続き、帰ってこれたのは夜遅くだった。 「あー…もう、ほんっとたまたま警備員がいたからよかった」 あらためて警備員に感謝をしてカードキーをさす。 「隼人ねてっかな…」 あたりまえもう寝てるか。 そう思いながらも一歩踏み出す。 そしたら急にだだだだだっという音が聞こえてきた。 そして… 「……歩ぃいっ!!」 「うぉっ!?」 隼人が俺に抱きついてきた。 「はっ?」 少し混乱している俺にお構いなしに隼人は俺を叩く。 「歩のバカ!ばか!ばかばかばかばかばかっ…ふぇ…帰ってくるの遅いっ…ばかぁっ」 怒ってるのか泣いているのか分からない隼人に、俺はぎゅーっと隼人を抱きしめて言った。 「遅くなってごめんな、ただいま」 end
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