63人が本棚に入れています
本棚に追加
「娘は一生、男を思い続けたそうだ。
切ないだろう?」
運転手は自分の話に酔ったのか、勝手に涙ぐんでいる。
一方の隆也は、心の中で首をかしげていた。
夢の中で、確かに自分は何かを待っていた。
しかし、誰かが来て肩をたたいたところで目が覚める。
もし夢の中の自分がその男であるなら、男は橋で娘を待っていたことになる。
それに、誰かと会っているのだ。
夢と聞いた話が違う。
だとすると、自分の夢と運転手がした話は関係ないのだろうか。
そう思うことにして、隆也は運転手にうなずいていった。
「そうですね」
最初のコメントを投稿しよう!