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彼らをまとめるだけでも骨が折れる。 そして、この女性社員二十名に関しては採用基準が皆無であったと言わざる負えない状況での入社だ。 どれだけ締め切りが迫っていても七時以降に出勤し、五時には帰宅する。 彼女たちのサポート、いや、尻拭いをするために隆也と高田の仕事の量が増える。 その分、三十前のサラリーマンが貰う平均月収以上の月収であるため、隆也は不満は言っても拒否はしなかった。 「來未ちゃんの欄、来週までにお願いしてるんですけど、本人から何か聞いてますか?」 すると高田は楽しそうに笑った。 「来月はケニアのファッション事情を取材するって言ってたぞ」 「ケニア?」 「そう、ケニア。  だから本場まで取材に行かせてくれってさ」 高田はまんざらでもなさそうに言うが、一方の隆也は耳を疑った。 「現地取材?  まさか、許可したんじゃないでしょうね?」 「当然、したさ」 「なんですって?」 高田は、眉間に皺を寄せて声を上げた隆也をなだめるような口調で話を続ける。 「怖い顔すんなよ。 せっかくのイケメンが台なしだろうに? いいじゃないの、旅費は自分で出すって言ってたし。  お土産買ってくるってさ」 隆也がため息をつく。 しかし、こんなことで驚いていたら高田のもとでは働けない。 「で、來未ちゃんはいつから取材に行くんですか」 「あ、そういえば今日から一週間って言ってたかな」 「は?」 隆也の声が大きくなる。 「あれ、話してなかったっけ?」 「高田さんからも、來未ちゃん本人からも聞いてません」 「まぁ、來未ちゃんからはおととい言われたからね。  でも、俺からメールしておいたと思ったんだけどな」 隆也にそんなメールの記憶はない。
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