82人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
その頃少女は
「…………うぅん……
ここは?えーと、襲われて気絶して……
あれ?治療されてる。
この上着とそこの荷物も私のじゃない」
目を覚ました少女はキョロキョロと辺りを見回し始めた。
しばらくすると遠くから少年が走ってきているのが見えた。
少年は黒地に白い筆で「できる!!」と書いてあるシャツに深い緑の緩いズボンという姿だ。
ネズミ色の髪に紅い瞳で容姿端麗と言えるだろう。
しかし少女には少年の内側からにじみ出るオーラの様なものが見えていた。
そのオーラが示すもの。それは魔族のオーラ。
魔法は少女にとって敵であり、人間以上に関わってはならないとされるものだった。
「来ないで!」
反射的に近くにあった忍刀を掴み、抜き放った。
「待て待て待て待て!落ち着け!冷静になれ!何もしねぇから!」
「うるさい!魔族の言うことなんて信用できないもん!」
「何で俺が魔族って分かった?エスパー?」
ノアは魔族という言葉に一瞬真剣な表情をするもすぐボケる。
「天使様にかかればこのくらい簡単よ!」
少女が自慢げにいい放つと上空から二人のではない声が響いた。
「貴様は天使ではなく堕天使だろう」
最初のコメントを投稿しよう!