最初のイメージは低い方がいい

6/11

82人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
時はノアがキズフサギを摘んでいる時までさかのぼる。 「あの子、可愛かったなぁ」 ふと思い出したように呟くノア。 「薄い茶髪のセミロングに幼さの抜けきってない顔立ちだろ? 身長は俺の鎖骨辺りまでか。 完全に直球内角ど真中じゃねーか! 後はガーッと来たボールをグーッと惹き付けてコンッとスイングか…… いかに惹き付けるかが問題か。 よし、こうしちゃいられん! ポイントを稼がねば!」 水をくむという本当の目的を忘れて少女の元に走り出すノアだった。 少女の姿が目にはいると少女は起きているようだった。 意思の強そうな目をしている。瞳は髪と同じ色。 少女はこちらを確認すると近くに置いていた影縫いを抜き放ち座ったままの状態でこちらに切っ先を向けた。 刀がカタカタと小刻みに震えている。 そして少女がいい放った言葉にノアは心を抉られるのだった。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

82人が本棚に入れています
本棚に追加