最初のイメージは低い方がいい

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「私はまだ27だ!それにラルドという名前がある!」 「誰が針ネズミだ!アイツは青だろ!俺の髪の色は赤だ!どちらかというとハリモグラがいい!」 ノアの計画どおり二人は挑発に乗ってきた。 「分かった分かった。ラルドおじさん。でもその娘は連れて行かせねーよ。俺を倒してからにしろや」 「え?でも……あの二人多分強いし」 遠回しに弱いと言われたノアはまたもや死にたくなったが平然をよそおい喋る。 「いーからいーから。まぁ見てなよ」 「ふん、魔力のない魔族に何ができる?ザック、お前に任せる」 ラルドが言うとザックと呼ばれたハリモグラは地面に降り立ちノアと向き合った。 「マスターエ〇ラルドは渡さん!」 「それ違う人だろ」 ザックはノアのツッコミと同時に距離を詰め、拳をつき出す。 しかしそれはノアに当たることなく空を切った。 「素手で俺に勝てると思うなよ?魔力が無ぇからって動けないとは限らんぞ」 「なっ!早っ!」 ノアは素早くザックの腹に手を回した。そして 「どっせーい」 「へぶはぁ!!」 バックドロップ。 気の抜けたかけ声と共に繰り出されたそれは簡単にザックの意識を飛ばした。 「まずは一人」 一撃で仲間を沈められたラルドは驚愕に目を見開き、少女は口を半開きにしている。 「クソッ!私一人で魔族と堕天使を相手にするのは厳しいか」 ラルドはノアを見ながらそう言うと地面に降り立った。 「ほら、これも持って帰れ」 無造作に投げられたザックを受け止め、ラルドは悔しそうに言った。 「今日は身を引こう。しかし次は無いぞ!」 「出来ることならもう二度と現れるな」 ノアの言葉を無視してラルドは飛び上がり、東の方へ飛んでいった。 「結局あいつら何だったの?」
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