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「あいつらは裁判所の天使よ」
「あれがねぇ。
まぁとりあえず刀納めていただきたい」
少女が刀を下ろすとノアは少女の隣に座った。
「俺はノア・フリード。君は?」
「ライラ・エルフォーゼ・ミストラル。
その、えっと、さっきはありがと…」
頬を朱く染めながら消え入りそうな声で言うライラに鼻血を出しそうになるがノアは平然をよそおう。
「気にしない気にしない。俺は男として当たり前のことをしただけだから」
爽やかな笑顔でそう答える。
するとライラはさらに顔を赤くして俯いてしまう。
「それよか早く移動しよう。バカどもが戻ってくるかもしれん」
「ここから一番近いのはムーファかな?」
ムーファは通称農業都市と呼ばれ、酪農、畑作、稲作が盛んな都市である。
酪農をしている故に面積は広大で犯罪件数も少ない。
「じゃあ行き先はムーファに決定!すぐ出発しよう。話なら歩きながらでも出来るからさ。
歩ける?訳ねーか」
そう言うと同時にノアはライラに背を向け、しゃがむ。
「えーっと、これは?」
「歩けんだろ?おんぶしたるよ。それともお姫様抱っこのが好み?」
「うぅ……おんぶでお願いします」
ライラを軽々とおんぶすると荷物を拾い、歩き出そうとするも一歩目がでない。
「ムーファってどっち?」
「ここからちょうど真東」
「よっしゃ!」
ノアは意気揚々と歩き出すのだった。
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