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しばらく5人でワイワイガヤガヤと歩いていたら、俺たちの正面に黒くて長いボサボサの髪の毛の女の子が歩いていた。
「おーーーーい!幸村ーーーー!」
口に手を添えて大声で呼ぶ……が、
「返事がない。ただの屍のようだ……」
言いたいことを先に悟郎に言われた。
「返事がない。ただの屍になればいいのに」
「真琴、それは願望だ。そしてエグい」
真琴たん恐い恐い。
さて、見事に無視されたわけだが、
ここで諦めるのは性に合わない。
そっちが無視してくるなら、
ならこっちは無視できなくするだけだ。
「ゆ~~~~きむら!」
「…………」
幸村は歩くスピードを上げた。
「マイスゥィ~トエンジェル詩織た~ん!」
「…………」
幸村がガクッとなった。
どうやらこの辺が効くらしい。
「ん?優樹は幸村さんに惚れてるの?」
「違う違う。友達になりたいだけ」
信也が寝ボケた事を言うので否定する。
なんか気になるだけだっつーの。
「おいおい、俺はもうお前の女性関係の問題に巻き込まれたくねーぜ?」
龍が呆れたように言う。
それに『うんうん』と真琴以外は縦に頷き、
真琴はなぜか横に頷いた。
……なにがしたいんだ!?真琴!?
そんなやり取りをしている間に
幸村はさっさと移動してしまったらしく、
その後、辺りを見回しても幸村を見つける事はできなかった。
「おい~!マイスゥィィィトプリティエンジェルハニー詩織たんいなくなっちまったじゃね~かよ~」
「いや……別によくね?もう学校のそばだし、お前、教室で幸村さんの前の席なんだろ?すぐ会って話せるだろ?」
「おいおい、俺はなかなか心を開いてくれないマイスゥィィィィトクールビューティプリティエンジェルハニー詩織たんと少しでも多くの交流の場が欲しいの!」
「ちなみにマイ……なんとかの件がドンドン長くなっていってるのは突っ込んだ方がいい系?」
早くしろ龍。
こっちも収拾つかなくなってんだ。
俺はゆっくりと頷いた。
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