俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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・ ・ ・ 「じゃ、気が向いたら遊びに来るよ」 「つーかお前たちが来いよー」 「瑠奈がいつこのクラスに来るかわからないから無理」 「リア充爆発しろぉぉぉぉぉ!」 ……と叫びながら走りっていく龍と、 それを歩いて追っていく信也を見送り、 俺と真琴と悟郎は後ろのドアから自分達の教室に入った。 教室に入って一番最初に目に入ってたのは 教室の後ろのドアのすぐ側にある幸村の席と、その席に座る幸村だった。 「ようハニー、久しぶりー」 「…………」 やっぱり返事はない。 俺が教室に入るなりいきなり幸村に絡みに行ったのとは裏腹に、悟郎と真琴はすぐに自分達の席に着いて参考書を開いていた。 ……そういえば今日は一時間目の世界史が小テストだったか? 「幸村は勉強しないのか?」 「……あんたは?」 キタ!返事キターーーーーー! 「俺は昨日しっかり勉強したから大丈夫」 俺は上がりまくったテンションをなんとか押さえて、普通の態度で返事をした。 「ハニーは?」 「…………」 「……幸村は?」 「あんたと同じよ」 まさかの!? ハニーが逆に功を奏していただと!? 「意外と熱心なんだな」 「他にやる事がないんで。 あと勉強だけが取り柄だし」 「へー、そうなんだ…… なに?趣味みたいなもの?」 「……まぁ習慣ね」 「……龍に言わせたいぜ。 じゃあさ!勝負しねぇ!? 今日の世界史の小テストで!」 「どうせ二人とも満点で終わりよ」 「いや、わかんねーよ?名前書き忘れるかもよ?」 「たしか8割取らないと補修よね?」 ……なーんて。 どうでもいいたわいない話を先生が来るまで続けていた。 別に面白い話があったわけじゃなかったが 俺にはとても楽しく感じられた。
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