俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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≪わーわーわー≫ 飛び交う人々、轟く罵声。 購買部は非常に混雑していた。 「幸村、なにが食いたい?」 「……高カロリーなものと保存がきくもの」 「お前……いや、事情があるのはわかるけどさ……」 「貧乏人に余裕はないの」 「あっ、やっぱり貧乏だったんだ」 「正確には貧乏人から金持ちになってまた貧乏人に戻ったのよ」 「……『幸』村という名前のわりに壮絶な人生歩んでるんだな……」 「…………」 その時、幸村は無表情のまま前を見ていて、なにも答えなかった。 でもなんとなく触れてはいけない気がした。 「……まぁいいや。 じゃあいってきます!」 俺は人ごみに突っ込んだ。 『ぐはっ!?』『グヘッ!?』『ぐはっ!?』『ガハッ!?』『グヘッ!?』『ぐはっ!?』『ガハッ!?』『ぐはっ!?』『グヘッ!?』『クペッ!?』『ガハッ!?』『ぐはっ!?』『グヘッ!?』『ぐはっ!?』『ガハッ!?』 「ほい、幸村。 焼きそばパンにカレーパンにメロンパン」 「……あんたも案外鬼畜ね……」 幸村は俺が倒した奴らを見て呟いた。
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