俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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・ ・ ・ 「バイトとかやってんの?」 「やってるけどあんたに教える位なら殺す」 「うぉっ、驚いた。死ぬのは俺か。 ……やっぱバイトだけじゃ苦しい?」 「そりゃ家賃とか色々あるもので。 ……何もかもに恵まれて他の人間の犠牲も知らずにぬくぬくと過ごしてきたあんた達とは違うのよ」 「なんか……すみません」 「あー、なんか簡単に金が手に入る方法ないかなー?」 「女の子が金なんて言わないで…… こっちは女の子に夢持ってるんで……」 なんていう感じで、メロンパンを食べながら歩く幸村と話をしながら教室の前まで歩いた。 空腹が満たされて機嫌がいいのか、 幸村はいつもよりよく喋ってくれた。 ……よし、デフォルトでこういう状態になるというのを目標にしよう。 ≪ガラガラ~≫ っと教室の後ろの扉を開けて教室に入ると、 ちょうど俺と真琴の席の辺りで美咲とエリナと瑠奈が話をしていた。 『うんん!やっぱり瑠奈、綺麗になったって!』 『いやいや、そんなことないよ~』 『いえ、なんというか大人な感じが……』 「うわぁ~、アレ対応に困るんだよな~ ホントなんて答えたらいいなわかんねぇ」 「それは言われる側の本音?」 「さぁ?とりあえず俺の本音」 「……羨ましい悩みですこと」 俺が苦手という事は 真琴もこの手の話題は苦手という訳で、 真琴は俺たちの席のほぼ対角線上にある悟郎の席に座って、信也や悟郎や龍とトランプをしていた。 ……ホント俺たち男女間の仲、微妙だな!? あとで混ぜて貰おうと思いつつ、 俺は弁当の確保のために俺の席へと歩いた。 ……といってもすぐそばなんだけど。
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