俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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「遅れてすみませ~ん」 なんて言いながら、 生徒会室に入り自分の席に座る。 生徒会室の真ん中に置かれた大きな机の、 扉から右奥の席が副会長の俺の席。 右手前が一年の後輩で Theマジメという感じの男の子、 名前が中二病こと 書記の石村 零≪いしむら れい≫、 左手前も同じく一年の後輩で、 同じくTheマジメのつり目メガネの 会計の玉野 志穂さん、 そして左奥には 真琴の彼女でうちの学校一の美女、 先ほど真琴とCまでいったと判明した 生徒会長の西園寺 瑠奈が、 それぞれ席に座っていた。 「さて、じゃあ全員揃った所で! 生徒会活動を始めます!」 瑠奈が生徒会開始の号令をかけ、 今日の予定をホワイトボードに書く。 それを書き終えた瑠奈が後ろを振り向き、 机に手をついてホワイトボードに書かれた、 今日の会議内容を堂々と言う。 「では!今日は 『どうやったらこの小説が人気が出るのか?』 について会議したいと思います!」 「いきなりのメタ発言やめろぉぉぉぉお!!」 「私としては真琴を主人公にしたらいいと思います!」 「お前なんてこと言いやがる!!?」 「だって真琴の人気半端じゃないよ? 優樹くんなんて足元にも及ばないし、 コメントも真琴が出てきたら増えるし……」 「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉお! そこはこの小説において触れてはいけない、 かなりデリケートなゾーンだぞ!!?」 「あの~?先輩方なにを言ってるんですか?」 石村くんの言葉により 変な電波を受けていた俺と瑠奈は正気に戻った。 瑠奈はホワイトボードの文字を意味がわからない様子で消して新しい議題を書き始めた。 ……俺はなにをしていたんだ? ただなぜか胸にポッカリ穴が空いた感覚が俺を襲っていた。
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