俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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「とりあえずキラキラネームについて説明します。 キラキラネームというのは、 子供の名前に見られる、暴走族のような当て字や、漫画・アニメ・ゲームなど架空のキャラクターからとった当て字の名前のように、読みづらい名前や、常識的に考えがたい言葉を名前にすることとを言います(by Wikipedia)」 「会長!それなら俺は当てはまらないと思います!」 石村が大きく手をあげて言う。 でも俺は知っている。 「黙れゼロくん」 石村がその名の通り 石になったように固まる。 「「ゼロくん?」」 瑠奈と玉野が頭の上にクエスチョンマークが出てきそうな素振りで俺を見る。 「前に俺たちみんなで石村んちに遊びに行ったら、石村のお母さんが石村の事を『ゼロくん』って読んでたのよ。 あとでその理由をお母さんに聞いたら、 もともとお母さんは『零』と書いて『ゼロ』って読む名前にするつもりだったんだけど、お父さんが『子どもの事を考えろ!』って言って『れい』って読むようにしたらしい でもお母さん的には諦められないらしくて 今でも石村の事呼ぶ時にはゼロと呼ぶらしい」 「あばばばばばばばば」 石村が痙攣し始めた。 瑠奈は若干苦笑いだ。 しかし玉野だけは他の事が気になっているようで、むすっとっとしていた。 「先輩、石村くんちに遊びに行った事があるんですか?……私もないのに……」 最後の一言は小声だったので 石村には聞こえなかったようだが、 俺と瑠奈はなんとなく気がついて ニヤニヤしていた。
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