俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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「え~と……じゃあ話を元に戻すけど……」 と瑠奈が仕切り直す。 「キラキラネームっていうのは 就職の際にも不利に働くらしいの。 ある企業では ただキラキラネームっていうだけで 他の人よりスタートラインが遠くなるって インタビューで答えてたりします」 「異議あり!それは不公平だ!」 石村が立ち上がり全力で異議を唱える。 どんだけ本気なんだお前…… 「うん……でも問題は『そういう名前をつける親に育てられた子どもがちゃんとした子どもに育つ訳がない』っていう世論だよね……」 「異議あり!そういうのもあるかもしれませんが、少なくともうちはただ単に母親が中二病だっただけです!」 石村……鼻息荒い…… そして親になんて事を言う…… 「でも確かに世論もあながち間違ってないですよね。そうなると子どもの事を考えるなら名前はちゃんと決めないといけないですね」 玉野が思案顏で話に割って入る。 「私も常々考えてるんですよ…… 自分の子どもにはどんな名前つけようって」 「えっ?なになに?聞かせて?」 瑠奈が食いついた。 俺も若干気になる。 ちなみに俺の隣では石村が興味がないような素振りを見せながら全力で聞き耳を立てていた。 しつこいようだが鼻息荒い。 でも確かに気になるだろう。 ここで玉野が石村に関係あるような言葉が入った名前が出てこようものならふたりの仲は進展する。 石村に関係あるような言葉の入った名前…… 『零一』とかそんな辺り?まぁ許そう。 「私はやっぱり子どもには可愛い名前がつけたいので、光る宇宙で『光宙(ピカチュウ)』なんてどうかなって……」 「「「いや、だからそれがキラキラネームっていうんだって!!」」」 「えぇっ!!?」 玉野がのけ反る程驚いた。 お前だけはまともだと思ってたのに!!
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