俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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一気に落ち込む人間が増えた生徒会。 石村も玉野も机に伏せている。 仕方ないから慰めてやるか。 「まぁまぁ、俺は名前の由来とか全然気にしねーよ?それよりも自分がどう育つかじゃん?」 俺の言葉に石村が顔を上げて反応する。 「そうですよね!? だいたいそれを言ったら優樹さんも真琴さんも『生まれてくる子どもが男でも女でも大丈夫なように』ってつけられた名前ですもんね!」 「あっ、それなんだけどこれ見てみて?」 俺は前にたまたま見つけた、 父さんと母さんと一緒に世界を飛び回っている産まれたばかりの俺たちの妹、泉(いずみ)の名前を思案したのであろう紙を机の上に置いた。 生徒会のみんながその紙を覗き込む。 その紙には手書きでこんな事が書かれていた。 ・ ・ ・ 優樹→優しく、大樹のように大きく強い子に育つように。更に俺の親友のような男に育って欲しいので一文字いただいた。 真琴→人を思いやれる「真」「誠」(まこと)の心を持った子に育つように。でもそれを普段は隠して、いざという時にそれを出して欲しいので「真」や「誠」でなく「真琴」 これを考慮して娘の名前を考える ・ ・ ・ 「「「めちゃくちゃ考えられてる!?」」」 男でも女でも…は照れ隠しだな。 ちなみに俺はの名前は父さん、真琴は母さんが考えてくれた。 ちなみにこれ見つけた時、俺たち泣いた。 マジで。 「そんな……なんなんだよ俺の名前……」 「私はなんて浅はかな……」 「ただ産まれたその日が月が綺麗でその光が私に差していたから『瑠奈(ルナ)』って……」 なんか知らんが みんなが大ダメージを受けていた。 「瑠奈、お前はそんなこと言っちゃいけねーよ?真琴から聞いたんだけど『お前は』両親から愛されてる」 「うん。大丈夫。 私はこの名前誇りに思ってるから」 「『お前は』ってなに!?お前はって!? 俺のこと!?俺は愛されてないってか!?」 石村がなんか騒いでいた。
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