俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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「奴はまず獲物を探す…… 獲物の条件は三つ…… まず歳が近いこと…… ふたつ目は彼氏のランクが明らかに自分よりランクの低いカップルであること…… そしてもうひとつは奴にとって目障りなカップルであるということだ…… 奴は彼氏がいない時に彼女に近く…… それも綿密に時間計画を立てて幾つもの彼氏持ちの女性に同時に……バッキングしないように…… 奴はまるで奴が彼女に好意を持っているんじゃないかと、彼女に思わせるような口調、仕草で彼女たちと話す…… ゆっくりと……自分を彼女の中で少しずつ大きな存在にしていく…… 積み重なる好意…… 奴からの思わせぶりな口調…… そして明らかに彼氏よりもいいスペック…… 彼女たちは奴の虜になっていく…… 奴はその好意に気づきながらも…… 焦らす…… 焦らす…… そして耐えきれなくなった 彼女たちは言うんだ…… 「私とつきあってください!」と…… そこで奴はほくそ笑む…… そして言う…… 「でも……君には彼氏がいるだろ?」と…… 悲しそうな表情で…… その時、彼女たちの中で奴は大きな存在になっている…… 彼氏以上に…… そして彼女たちは彼氏と別れてしまう…… そして再び奴に告白するんだ…… それを聞いた奴は心の中で 計画通りと笑いながら悲しそうな顔をする…… 「ごめん…… 俺は○○を裏切れない……」 奴はそう言って走り去る…… そして彼女から完全に離れた所で ためていた笑いを吐き出す…… まるで悪魔のように…… 奴は法に触れるような事はしていない…… キスされそうになっても、 「俺は彼女としかキスしないから」 と断りながらも別れを促進させた…… 奴の言う言葉は 男には全て向こうの勘違いだと…… 女には誠実な人間だったのだと…… そう思われてるようになっている…… 奴は誰からも憎まれなかった…… 奴の計画通りに…… そして奴は自分の評判を傷つける事なく 目障りなカップルを消し去っていった……」 「信也くん最低すぎるよ!?」 「「人間のクズじゃないですか!?」」
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