俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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・ ・ ・ 「……皆さん意外と本気の相談してますね」 「あぁ……半分くらいは真面目なヤツだな。 正直罪悪感が……」 「ざ、罪悪感?なにそれ? 忘れてたわけじゃないんだから……」 「そ、そうッスよね!あははっ……」 「……もう素直に認めない?」 「「「皆さん本当に申し訳ありませんでした」」」 生徒会一同反省しております。 ・ ・ ・ 俺たちは用紙を四等分して分け合い、 お悩みを読んで用紙にその解決を書いていくという作業を続ける事約1時間半、俺と瑠奈と石村は全ての仕事を終えた。 そして玉野の用紙もラスト一枚となった。 最後だという事でみんなで玉野の席の後ろに回り込みその用紙を覗き込んだ。 「えーと、『女子の体育に護身用の拳法かなにかを加えて欲しいです。このご時世なにが起こるかわからないので心配で仕方ありません』……だって」 瑠奈がぶっちゃけみんなが陰になって用紙が見えていない俺のために内容を読んでくれる。 ノリで『愛してるぜ!』と言ってやろうかと思ったが、なぜかナイフを持ったある男が脳裏に浮かんだのでやめておいた。 代わりに「ありがとう」とお礼をした。 ……あれ?コレが普通じゃね? 「でも護身術は欲しいなーって、思います。 私も正直心配になったりします……」 玉野が心配そうに呟く。 ……ほら!行け!石村! ここは『なら俺が送って帰ろうか?』だ! ほら早く行け!なに言おうとしてやめて言おうとしてやってんだ!?青春か!?甘酸っぱいねいいねー!でも今言わないでどうする!?さぁ!早く! 「あっ、じゃあ護身用にコレ持ってたら?」 瑠奈が玉野に刃渡り15cmほどのアーミーナイフを渡す。 ほら!石村! 早くしないから瑠奈に先越されたぞ!? 瑠奈がアーミー……護身用の武器を玉野に見せちまったせいでお前はもう『送ろうか?』なんて言えねぇぞ? それにしても空が青い…… いや、夕方だった。綺麗な夕日だなー ……………うん。もう無理。 現実逃避しようにも、 逃げた先全部行き止まりだった。 「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!?」」」
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