俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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「あっ!詩織ちゃん!」 幸村の姿を目視した瑠奈が幸村に駆け寄る。 つーかいつの間に下の名で呼ぶようになった? 「どうしたの?なにか相談事?」 瑠奈……違うぞ…… その娘は俺の命を狙いに…… 「いや、鍋パーティに誘われたんだけど、 そいつの家を知らない私に現地集合とかほざいて生徒会活動に向ったバカがいたのよ」 ……あっ、しまった…… 大抵の友達は俺の家知ってるから 自然に幸村も知ってるものだと思ってしまった…… 「いや~悪い悪い! てっきり知ってるものだと思っちまった!」 「知ってるわけないでしょ? 脳みそ沸いてるの?この≪ピー≫野郎」 ……最近、俺、罵倒されすぎじゃない? いや、これがツンデレのツンってヤツか。 ならデレるまで堪えようじゃないか。 幸い俺はノーマルだが、 どちらかというとM寄りだ。 悟郎ほど極端じゃないがな。 「あの~どちら様でしょうか……?」 石村が疑問の声を上げる。 そういえば紹介してなかったな。 「こいつは最近転校してきた幸村 詩織さんだ。 ちなみに俺のマイスゥイートエンジェル」 「殺すわよ?」 黙る事にした。 照れちゃってかわいい~! ……ポジティブに生きるのっていい事なのよ? 「詩織ちゃんは私の始めての友達候補! ……ねっ?詩織ちゃん?」 瑠奈は幸村に満面の笑みでそう問いた。 すると幸村は満面の作り笑いでそれに答えた。 「そうよ?……ねっ?西園寺さん?」 壁があるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ! 「けふっ!」 「瑠奈ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 瑠奈がノックアウトされた。 「あの……石村です!よろしくッス!」 「玉野です。よろしくお願いします」 「よろしく。これから事件とかがあっても山口 優樹の生徒会の後輩というだけであまり接点がないから、巻き込まないよう山口 優樹が気をつけるだろうから、対して出番がないだろうモブキャラのAくんとBさん?」 「ガハッ!?」「げふっ!?」 「石村ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 玉野ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」 まさかの生徒会役員ノックアウトにより、 帰るのが更に遅くなったのは言うまでもない。
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