俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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「はい……どうぞ……」 「「……いただきまーす」」 ……なんだこの状況? 俺たちがリビングに入ると 目に飛び込んできたのは、 椅子に座り、ミートソーススパゲティを食べようとしている真琴と信也。 真剣な面持ちでそれを見守るエリナ。 そしておどおどする美咲だった。 「なぁ?美咲?なにがあった?」 俺は近くにいた美咲に問いかけた。 すると美咲はおどおどしながら答えた。 「いや……なんかエリナと真琴と信也くんが口喧嘩を始めちゃって……それでなんか最終的にエリナは料理ができるかできないかみたいな話になって……」 「あぁ……なるほど……」 ちなみに省略された部分には 酷い罵り合いがあったんだろうな…… つーかエリナ…… 料理自慢にスパゲティって…… しかもシンクにミートソースの空き缶が置いてある。 ちょっと難しいインスタント焼きそば作るのと同じようなもんじゃねーか…… 真琴と信也がスパゲティを口に運ぶ…… そしてよく噛んでそれを食べる…… 「「!?」」 ふたりの目が見開かれた! そして信也が感想を告げる。 「こ……これは…… 明らかに麺の茹で過ぎだ…… さらに水気が多いからミートソースの味が薄い……もはや味が無いレベルだ……」 そう言い終えると 信也はまたスパゲティを頬張った。 今度は真琴が代わりに感想を言う。 「しかも麺が伸び切っているから 水分が多く満腹になりやすい。 そしてこの無味。 都市伝説として存在する 見た目は美味しそうだけど、 食べると三途の川を見る料理とは違う、 存在しうる普通のマズさだ。 はっきり言って、ク☆ソ☆マ☆ズ☆イ」 「テメェらまとめて表出ろ!コラ!」 「エリナ抑えろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
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