俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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「さ……さて、じゃあそろそろ リビングに行きましょうか……」 「そ……そうだな! 女の子達ももう落ち着いてるだろうし……」 「さ……さぁ!レッツゴー!」 石村と龍と悟郎がそう言い、 そそくさと俺の部屋から出ようとする。 信也も黙って後ろから着いて行こうとする。 「あっ、ちょい待ち。 向こうの話し合いが終わったら瑠奈が呼びに来る手はずだから部屋から出るな。 まぁ、ここでみんなで ボーイズトークでも楽しもうぜ!」 「「「俺たちはこの部屋から 一刻も早く出たいんだよ(ですよ)!!」」」 そ……そんなに俺の部屋がイヤか……? 「まぁ待て。そんなに俺の部屋がイヤなら 俺のこの部屋のいい所を教えてやろう。 実はこの部屋で寝るとな…… 夢で妖精が出てくるんだ」 「「「はぁ?」」」 全員に可哀想な奴を見る目で見られた。 「始めて彼とあったのは 俺が幼稚園の時だ…… 俺が夜、寝れずにいたら 急に俺の体を金縛りが襲った。 そして俺が寝ているベットのそばに浮いている男の子がいたんだ。 俺はその時確信したね。 あぁ……これは夢だな……って。 どうやらいつのまにか寝ていたらしい。 その子はゆっくりと俺に近づいて来た。 近づいて来て気づいたんだけど、 その子は痩せはてていて、 髪の所々が禿げていて、 さらに全身に打撲痕があって 頭から血を流していた。 それで確信した。 あぁ……この妖精、ゾンビかなんかに化けて人を脅かすイタズラ好きの妖精だな……と。 その子は俺に手を伸ばして来た。 俺は瞬時に理解した。 この子は俺を起こして驚かすつもりだと。 なら俺は逆に驚かしてやろうと考えた。 男の子の手が俺の首辺りに伸びて来る…… その瞬間!俺は金縛りを気合いで解いて ≪わっ!!≫とその子を驚かした。 男の子は驚いて飛び退いた。 「な、なんで動けるの……?」と呟く男の子に「俺に不可能はない」と言い返して、俺はその子に手を差し伸べた。 「ねぇ?妖精さん?友達にならない?」
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