俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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すると男の子は驚き目を見開いた。 そして言う。 「……友達?友達になってくれるの?」 俺は迷わず「うん!」と答えた。 もしかしたらまた同じ夢を見るかもしれないし、妖精の友達なんて最高じゃないか。 でもその子は躊躇った様子だった。 「でも僕は君を……」 驚かせようとしたってか? そんなの関係あるもんか。 その位で嫌いにらなるほど俺は器は小さくない。 「そんなの関係ないよ。 俺は君と友達になりたいんだ。 ほら一人より二人の方が絶対楽しいって!」 なんとなくだけど、 俺はその子が一人ぼっちな気がした。 だから特に思った。友達になりたいと。 男の子は顔を伏せて泣き始めた。 俺は過去に母さんがしてくれたようにその子を抱きしめ、「よしよし……」と慰めた。 しばらくして男の子は泣き止んだ。 俺はそれを見計らい抱きしめるのをやめた。 そして男の子は顔を上げた。 するとどうだろう? 男の子の姿は普通の 愛くるしいものに変わっているじゃないか。 やっぱり俺を 驚かせようとしていただけみたいだ。 「俺、優樹っていうんだ!君は?」 「…………ようすけ」 「よろしくね?ようちゃん!」 それから俺はようちゃんと遊び倒した。 オセロをやったりお話ししたり…… ……まぁそんな感じ。 大体時計の針が3時を差した頃だろうか? ようちゃんは「そろそろ僕帰るね?」と言った。 俺は「うん!また遊ぼうね!」と言って手を振った。 ようちゃんも手を振り返して あのイタズラの書かれた壁に消えていった。 それからだ。たまに俺が夜なかなか寝れなかった日に、何時の間にか寝ていた俺の夢に妖精のようちゃんが出てくるようになったのは……」 『『『いやいや!優樹(さん) ポジティブシンキング過ぎるだろ!?』』』
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