俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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急に空気が重くなる。 個人的には気楽に聞いてもらいたいんだが…… するとコンコン…… と部屋の扉がノックされる。 なんかみんなの表情が明るくなった。 「みんな~もう来ていいよ~」 瑠奈がドアから顔をひょっこりと出して言う。すると男達は立ち上がり、 「「「待ってました!!」」」と叫んだ。 なんか不服だな~ 俺たちは若干引き気味の瑠奈と一緒にリビングへと向った。 ・ ・ ・ グツグツと蓋を揺らしながら煮える鍋をみんなで囲む。 ……幸村、よだれが出てるぞ? さて、じゃあ俺が挨拶しますか。 ……幸村、よだれはハンカチで拭きなさい。 服の裾で拭いちゃダメ。 「では皆さん手を合わせて!」 「「「いただきま~す!!」」」 俺は鍋の蓋を開けた。 同時に湯気が立ち上り、グツグツと煮えた美味しそうな鍋のお目見えだ。 煮えて柔らかくなった白菜やネギなどの野菜、いい香りがする椎茸、グツグツと動く豆腐、そして父さん達が送ってくれた霜のかかっていた牛肉が…… ≪バババババババッ!≫ 一瞬で消えてなくなった。
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