俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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「ちっ」 という真琴は俺の心を抉る舌打ちをして肉に手を伸ばす。 「させない!」 「なっ?」 エリナがとっさに反応して 真琴の箸を自分の箸でなぎ払う。 真琴の箸が弾かれ、回転しながら宙を舞う。 エリナは更にその勢いで肉を狙いにかかる。 俺はそれを左手でエリナの腕を掴んで阻止する。そして右手で箸を持って肉を狙いにかかる。 「させませんよ!」 「読めてんだよ!石村!」 俺の箸を阻止しようとする石村の箸を払うようにして真っ二つに切る……「えぇっ!?嘘だろ!?」……石村うるさい。 さらにエリナの右手を上に投げ上げるようにして時間を稼ぎ、自由になった左手で復帰してきた龍の手首を掴み、軽く捻じって箸を手手放させてそれを掴む。 「箸二刀流!」 「「「箸二刀流だと!!?」」」 説明しよう箸二刀流とは箸を両手に持って肉を狙う事で本来の倍の効率を得る事ができる両利きの人間にしか許されない必殺技なのだ。 ……茶番ですね。わかります。 みんなノってくれてありがとう。
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