俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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ノッてくれる人間もいれば ノッてくれない人間もいる。 その人間とは真琴と幸村でふたりはすでに鍋の中に箸を突っ込んでいた。 すごい笑顔の幸村が箸で肉をすくい上げようとする。 「邪魔」 が、真琴が幸村の箸を振り払い 幸村が集めた肉ごと大量の肉をすくい上げ、自分の器に入れた。 そしてまた真琴が鍋の中に箸を突っ込む。 ゆ、幸村ぁぁぁぁぁぁぁ! そんな恐い顔しないでぇぇぇぇぇ! 「いただき!」 そんな中、悟郎が鍋に手を伸ばす。 と同時に幸村が真琴の目を目がけて箸を突き出す。 やばい!いろいろとやばい! しかしこの状況を打開できるのが箸二刀流! 俺は戦場の合間を塗って 鍋に両方の箸を着地させる。 そして左手で豆腐をすくい上げ、 悟郎の口の中に放り込む。 同時に真琴も悟郎に白滝をぶっかける。 「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! まさかの兄弟ダブルコンボ!! 内側と外からの痛みが俺を襲うぅぅぅ!! 最高ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉう!!」 さらに右手で肉をすくい上げ、それを飛ばして俺と幸村の持っている器に着地させる。 幸村は真琴を狙うのをやめ、 ちょこんと椅子に座り、肉の咀嚼を始めた。 これぞ箸二刀流の力! さて……、肉は手に入れた。 じゃあ早速いただきましょうかね。 ……と、その前に。 俺は美咲の器に俺の肉を少し入れた。 「……優樹?」 「食えてないだろ?食えよ」 「……ありがと」 美咲は俺に微笑んだ。 小っ恥ずかしくてそっちは見れなかったけど。
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