俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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・ ・ ・ それからは非常に平和に鍋パーティをした。 ワイワイガヤガヤ楽しませてもらった。 「あれ、ポン酢がないや。 誰か取ってくれない?」 信也がポン酢に近い 幸村、瑠奈、石村、玉野に呼びかける。 ……が、誰も反応しない。 瑠奈がビクッとしただけだ。 石村、玉野は仏頂面だ。 あと幸村は食うのに夢中だ。 「あの……ポン酢……」 信也はもう一度言ったが瑠奈がちょっと困った様子になっただけでやはり誰も反応しない。 「…………」 信也は黙って玉野の前にあるポン酢に手を伸ばす。 ≪パン!≫ 「玉野に近づくな!」 石村が信也の手を弾いた。 信也が驚き戸惑う。 「あっ……信也くん……はい……」 瑠奈が信也にポン酢を手渡す。 「ありがとう」 信也は瑠奈にニッコリ微笑み、 瑠奈からポン酢を受け取ろうする。 その時、信也の手が瑠奈手に少し触れた。 「きゃっ」 瑠奈は信也がポン酢を受け取る寸前で手を放してしまい、机の上で≪コンコン≫と転がる。信也は儚い笑顔で瑠奈に微笑みかけ、ポン酢を拾った。 「信也……ごめん……」 「なんで優樹が謝るの?」
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