俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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「「「はっはっははははははははははははははははははははははははははははははははは!!」」」 飛び交う笑い。 ほぼ全員が腹を抱えて笑っている。 そんな中笑っていない美咲。 「あ~、私この頃の優樹嫌いだったな~」 なんて言って思いふけっている。 笑われるより遥かにツラかった。 『はい、やたら成長が早いな~と思ってたら中二病になるのも早かったね~優樹きゅ~ん?可愛いな~』 『母上、何をおっしゃっている? 私の名前はルシファー=ゼノン・ローレシアです。ルシファーまたは下の名前から上の文字を取って…… 気楽に『ゼロ』とでも呼んで下さい』 うわぁぁぁぁぁぁぁああああ!!? 「ゼロさんだ!人のこと散々ゼロくんとか呼んでたくせに、この人ゼロさんだったよ!!」 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」 顔が熱い! 穴があったら入りたい! みんな!俺を見ないでぇぇぇぇ!! 『よしよし、可愛いねー! じゃあ次はお父さんです!』 そう言ってビデオカメラを動かす母さん。 場所が移り変わり、椅子に座って酒を飲んでいる父さんが映し出された。 『お父さんは昼間から飲んでま~す。 そして実は私も飲んでま~す。 気づかなかったでしょ~?』 いや、おかしいな~とは思うだろ。 テンション高すぎるもん。 酒に強い父さんはそりゃもうカッコよく…… これぞ日本男児と言わんばかりの堂々とした風格で日本酒をすすっていた。 『キャーーーーーーわーーーーー!! 私の旦那カッコいい!!私の旦那カッコいい!!大切な事だから何回も言う。『私の』旦那カッコいい!!このカッコよさでバカなのも可愛くてしかたないわー!全身、髪の毛の先まで愛してる!!もう絶対離さないから!!もうホント、こいつと結婚できるなんて夢みたい!!子どもの頃からの夢だったのよ!!優しいしカッコいい優しいし強いし家族思いだし……いや、そんなところじゃない!存在レベルで愛してるーーーー!!』 酔っ払ってる母さんが暴走していた。 その場の全員が引いてたね。 お陰で俺への視線が和らいだ。 ありがとう!母さん!!
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