俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』 とテレビから大きな叫び声。 部屋にいる全員がビクッとする。 そしてさっきまで暴走していた母さんが慌ててカメラを叫び声の方にの方に向ける。 カメラに左手で顔を抑えてうずくまる俺が映し出される。 母さんが慌てて俺の方に駆け寄る。 『優樹!?どうしたの!?大丈夫!?』 『来るな!!』 幼い俺が母さんを右手で制止する。 『近くな!俺の左目に封印された『血の記憶』が俺の精神を奪おうとしている!今はそっとしといてくれ!』 もう過去の俺黙れよぉぉぉぉぉぉおお!! 『あっ、大丈夫そうね』 『おふ……母さん慌てすぎだよ。 だいたい今までこんな事何回もあったけど、一度も血の記憶とやらに乗っ取られた事ないじゃん?』 真琴が俺を見下しながら嘲笑う。 そんな真琴に俺は一瞬ムッとした表情になる。 その後、スーッと立ち上がり、 腕をダラーンとしてうなだれるような格好になる。 そしてしばらくそのままの状態が続き、 急に上体をのけぞるほど起こす。 『はっはっはっ!やった!ついにやったぞ! ついにこの体を奪う事ができた! ルシファー様がここに復活したのだ!!』 安っぽい挑発にのるなぁぁぁぁぁぁあ!! 『はいはい、おめでとう兄貴』 『わー大変だー』 ほらぁぁぁあ! 真琴更に馬鹿にしてるから! 母さんはノッてくれてるだけで 完全に棒読みだから! だからもうやめろ! 『我を優樹だとか兄貴と呼ぶな。 俺様の名前はルシファー。 遥か昔神に反逆し地に落ちた大天使。 そして今、遠い時を超えて私は復活した! 優樹などという名前は世を忍ぶ仮の名だ。 二度とその名で呼ぶのではない』 一人称安定しねぇなオイ! あと、しばらくしたら『この事は忘れて下さいお願いします!普通に優樹とか兄貴って呼んで下さい!』ってスタイリッシュに土下座するんだからやめとけ!! 『そうか…俺…結構考え込んで 名前決めたんだけどな…… 優樹は気に入らなかったのか……』 父さんが落ち込んでる! 中2病の発言間に受けないで! 俺、この名前大好きだから!!
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