俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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『おい、親父に今すぐ謝れ』 真琴が俺に混じりっ気なしの 本気の声の怒りを俺に向ける。 画面越しでも殺気が伝わる。 『な、なにを言う! わ、私の名はルシファー! 優樹などという名前ではない!』 謝れぇぇぇぇぇええ!! 俺、知ってんだぞ! お前めちゃめちゃビビってるだろ! 口調以上にビビってるだろ! ちょっと漏らしてるだろ! 今後後悔するんだぞ! 謝っとけぇぇぇぇぇええ! 『親父もお袋も考えて名前つけてくれたんだぞ?その名前を無下にするのか?』 『お、俺たちの仮の名に意味などないだろう?』 真琴の目の中で 蛆のような物がグルグルと渦巻く。 ヤンデレも裸足で逃げ出しそうだ。 ちなみに視力は4.0という化け物企画。 ……どうでもいいか。 『まぁまぁ落ち着け真琴』 風前の灯火の俺の命を助けようとして 父さんが真琴を遮る。 『親父、教えて? 俺たちの名前の由来ってなに?』 真琴は父さんにそう問いた。 父さんは少し考え込んで…… あれ?これって…… 『お前たちの名前って女の子っぽいだろ?』 『ちょっと思ってた。なんで?』 『あのな?真琴?もしもお前たちがお腹にいる時点で男の子の名前をつけていたとしよう。俺たちはお腹の中のお前たちの名前を呼び続けるだろ?しかし生まれてきた子が女の子だったらどうする?虚しいだろ?今まで呼び続けていた名前を変えなくちゃいけないんだぞ?そんなのイヤだろ?』 男でも女でもいける名前って 俺を守るための言葉だったぁぁぁぁあ!? 『えっ!?そんな理由!?』 と真琴は若干ショックを受けていた。 ごめん……みんなごめん…… もうこんな事しないから許して…… あと父さん……ありがとう…… 『ファーハッハッハッハッ!! ならば優樹などという名は不要!! 俺様の名はルシファーだ!!』 お前ホント黙れよぉぉぉぉぉぉおお!!
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