俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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・ ・ ・ 俺たちは父さんと母さんにひたすら謝った後、椅子に座らせて、まずは片づけに入った。やるのは面倒だが、実際にやってみるとすぐに片づけ終わった。 そして前に特売で買ったサーモンとハマチの刺身と、インスタントのお吸い物と、余っていたご飯をふたりが座る席に差し出す。 「おぉ~手際がいいね~」 父さんと母さんが驚く。 そりゃ約1年間も二人暮らししてりゃな。 俺と真琴も余った刺身を分け合ってそれぞれ自分達の席につく。正直お腹いっぱいだが、父さんと母さんとのコミュニケーションのためだと思えば別腹だ。気のせいだと思うがお腹がすいている気がする。 「はい、どうぞどうぞ~」 なんて定番なこと言いながら俺は父さん、 真琴は母さんにビールを注ぐ。 「おっ?気が利くね~」 なんて言いながら父さんと母さんは俺たちに微笑みかけた。俺たちは気恥ずかしくなって顔を背けた。 「さて、じゃあみんな揃ったな?」 と、父さんが机を囲む家族に目配せする。 これは暗黙の了解で、家族に悩みは無いか、なんらかの無理をしていないか観察しているのだ。 数秒家族を見渡した父さんは納得したようで、にっこりと笑った。それを合図に俺たちは両手を合わせる。 「「「「いただきま~す!」」」」
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