あいつはぶっ飛んでいる

俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

「父さん」

「ん？なんだ？」

「俺、父さんにつけて貰ったこの
『優樹』って名前、本当に好きだよ？」

「な、なんだよ急に……
だいたいその名前は男でも女でもいけるようにって適当に……」

父さんが慌てる。
普段は見せない父さんの動揺に
思わず笑ってしまう。

「……なんだよ」

父さんが俺をジト目で見る。
俺はそれを軽く受け流し、
さっきの調子のまま話を続ける。

「俺さ、まだまだガキだし、
心配ばっかりかけるだろうけど、
でも父さんが俺の名前に込めてくれた
『優しくて大樹のように大きな人間』
になれるように頑張るからさ……

だから父さんと母さんは
俺たちの事なんか気にせずに仕事頑張ってね？」

父さんと母さんがその場で固まった。