7526人が本棚に入れています
本棚に追加
浅い眠りだったのでクラスが賑わい始めると簡単に目を覚ました。
でも頭が重かったので頭を上げるのを放棄して、先生が来るのを待った。
そして8時半を示すチャイムの数分後、
先生はまるで遅れてなどいないかのように
「よし、じゃあ朝礼始めるぞー?」
と言って教室に入って来た。
俺は重い頭を上げて委員長の号令に従い挨拶をして席に座る。
席に座る際、椅子を引きずる音が教室中に響いたが、俺の後ろからはその音が聞こえなかった。
チラッと後ろを見ると席は空っぽ。
幸村は休みかな?
「あ~、幸村は風邪で休みだ」
俺の反応を見てか、いつもの習慣でか、
先生が俺の心の中の疑問に答える。
先生の言葉を聞いても
クラスの様子は変わらない。
もともと幸村はクラスの連中とは
あんまり関わりがないからな。
俺も少し心配だけど、
風邪なんて誰でも引くもんだ。
あ~あ、可哀想に。
って具合にしか思わず、
俺は肘をついた手の上に顔を置いて、
再び重いまぶたを閉じた。
最初のコメントを投稿しよう!