突撃!あの子んち!

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とりあえず兄貴に肩を貸すようにして 兄貴を立ち上がらせてやる。 仮病のくせにほぼ全体重かけてきやがる。 非力な弟くんの事も考えて貰いたいものだ。 俺は兄貴を連れて教室の外に出た。 俺がドアを閉めると 兄貴はすぐさま普段通り立ち上がった。 そして俺の手を引いて全力で走り始める。 「早く保健室に急ぐぞ!」 その走るスピードの早いこと早いこと。 普段あまり働かない足の筋肉が酷使され、 もう嫌だと悲鳴を上げる。 休ませてやりたいところだが、 今、働かすのをやめたら間違えなく ダイナミックにコケるとこになり、 下手したら保健室どころか病院送りなので、労働基準法なんて糞食らえで走り続ける。 文句のひとつでも言ってやりたい所だが、 残念ながら肺がひたすら空気を求めるので 声を出すことができない。 どこが腹が痛いだ…… あとで覚えとけよ……
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