突撃!あの子んち!

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……あれ? しばらく時間が経っても無音。 聞こえる可能性があった真琴の悲鳴も、 肉がエグれる音も聞こえない。 俺はゆっくりと目を開けた。 俺の目の前には包丁を突き出し、 某然としている真琴、 そしてその背景に 見慣れた俺たちの家の リビングが広がっていた。 「……あれ?」 真琴が間の抜けた声を上げる。 俺も空いた口が塞がらない。 意味がわからない。 「あれ?真琴?優樹?なんでここにいるの?」 玄関の方から泉を抱いた母さんが リビングにひょっこり顔を出す。 しかし俺たちもさっぱり意味がわからない。 俺たちは首を傾げた。 「俺たちはなんで今、 ここにいるのかさっぱりわからない」 「あぁ、人生最大の危機を 意味のわからない形で回避したんだ」 「私たちこれから 出かけようとしていたんだけど…… お父さんが忘れ物したってリビングに…… ……ねぇ?お父さんは?」 「「……さぁ?」」 俺たちはまた首を傾げた。
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